コロナ後遺症外来 上咽頭擦過療法(EAT):Bスポット療法
新型コロナ感染症は、オミクロン株に置き換わることで重症化は少なくなりました。しかしながら、より感染力の強い新しい変異種が登場してきています。
そうした中で、「感染後後遺症」で苦しむ患者さんが増加しています。
主な症状は、全身倦怠感、頭痛、集中力低下、睡眠障害等です。この後遺症による症状のため、出勤・通学ができない方も出ています。
この「感染後後遺症」に対する確立された治療法は明確なものはまだありませんが、臨床現場でいくつかの可能性のある治療方法が報告されています。
その中で有望な治療方法の一つが「上咽頭擦過療法(EAT:Epipharyngeal Abrasive Therapy)」です。
鼻腔の奥にある上咽頭を薬液で擦過するという耳鼻科領域の治療法です。※別名Bスポット療法ともいわれます。
しかし、全国で実施する医療機関は350ヶ所と少なく、備後地域には実施する耳鼻咽喉科は見当たりません。
当院では、この上咽頭擦過療法:EATを内科医でも安全、確実にできるように工夫され、提唱されている「シンプルEAT」を「感染後後遺症」で開始することにしました。
1週間に1回のペースで約10回実施が目安です。上咽頭を擦過するので、患者さんにとっては、かなりきつい治療法ですが。有効率は6~7割という報告もあります。
新型コロナ感染後、全身倦怠感等のつらい症状で困っている方は、一度ご相談ください。
沖野上クリニック 内科 藤原 惠