ボトックス膀胱壁内治療の開始について
過活動膀胱による切迫性尿失禁、頻尿の症状に対して従来の内服治療では十分な効果や、効果の長続きが得られない場合があります。
この難治性の過活動膀胱に対して、2020年4月より「ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法」が、長い治験の期間を経て、ようやく保険適応となり、当クリニックでも実施可能となりました。
ボツリヌス菌が産生するボツリヌ毒素を無毒化して、薬剤として使用することは従来、脳卒中後の手足の痙縮等にも用いられてきましたが、膀胱壁内に内視鏡を用いて直接注射することにより、排尿筋の過度の収縮を抑えることが可能になりました。
その結果、従来の内服薬では、難治であった切迫性尿失禁や頻尿に対して高い治療成績が、現在までの臨床試験において認められています。
症状に悩まれている方がおられましたら、適応の有無や実際の方法等を詳しく御相談させていただきますので、当クリニック泌尿器科外来をいつでも受診していただければと思います。
沖野上クリニック 泌尿器科 畠 和宏